福岡家庭裁判所小倉支部 平成元年(少)11303号 決定 1990年6月08日
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
非行事実
本件記録中の少年にかかる司法警察員作成の平成元年5月29日付及び同2年5月15日付少年事件送致書(但し、5月15日付送致書記載の犯罪事実(一)中「午前10時57分ごろ」とあるのを「午後10時57分ころ」と訂正する。)記載の各犯罪事実と同一であるから、これらを引用する。
法令の適用
共同危険行為の事実につき
刑法65条1項、60条道路交通法118条1項3号の2、68条
無免許運転の事実につき
道路交通法118条1項1号、64条
信号無視の事実につき
道路交通法119条1項1号の2、7条、同法施行令2条1項
保護処分に付する理由
少年は、中学2年ころから原動機付自転車ではあるが無免許運転を繰り返し、交通短期保護観察等により関係機関から指導を受けてきたにもかかわらず、暴走族に加わり本件共同危険行為に至り、更に、当該事件についての審判が未了であるにもかかわらず安易な気持ちから本件自動二輪車の無免許運転及び信号無視を惹起している。
現在に至るも母は行方不明であり、父の存在が少年の行動の有効な規制にならず、他に規制する者はいない。
常習的な単車の無免許運転であつて、全く罪障感なく遊び感覚で乗り回しており、矯正施設に収容して規範意識を養う必要があるが、他方、一応、家業を手伝い、最近では交通関係以外の一般の非行は認められないという事情もある。
よつて、少年を中等少年院に送致し、交通短期処遇課程において少年の矯正をはかることを相当と認め、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項後段を適用して主文のとおり決定する。